歴史好きを育てる

中学受験塾では、5年生の2学期に歴史を一通り勉強します。社会科は得点差が付かないということもあり、基本的に、普通の暗記力があれば困るということはないでしょう。

それなら、それまで何もしなくてもいいのか?受験のためなら、そうかもしれません。しかし、理系の場合、中高で近現代史をしっかり勉強する機会が欠けている場合も多いことを考えると、一人の人間として、歴史に対する興味を持ってほしいと思わずにはいられません。

子供は、小さい頃ほど好奇心旺盛で、一つのことに対して深く感動する。だから、幼児期から少しずつ歴史に触れさせることを考えても良いと思うのです。

次男の場合、サッカーが好きだったので、日本と諸外国というものがあることを早くから知りました。その時に、「どうして日本という国があるの?外国のいろんな国はどうして、そういう国なの?」と素朴な疑問を持ったのです。「どうやって日本人ができたのか、国境はどうやって今の形になったのか?」すぐに答えることができませんでした。「それは歴史を勉強すればわかるよ」と答えて、歴史をどうやって教えればいいのか考え始めたのです。

最初に与えたのは、朝日新聞社が出している歴史上の人物漫画。薄いし、人物というところに子供は食いつきました。それから、いわゆる歴史マンガを何種類。ついで、歴史上の人物の伝記本、文学作品(平家物語等)、NHKの歴史番組などを見せました。興味を持った人物がいれば、お城や史跡、博物館なども周りました。男子の場合、ヒーロー番組の代替として歴史が好きになる場合もあると思うのですが、それだけだとアンバランスかと思い、戦争や公害に関連する場所にも行きました。子供の中では、「どうして戦争が起こるのか」等々の疑問も生じたようで、そうした問題意識が、さらに公民分野を勉強する時の動機になれば良いと思います。

 

文系で法律や経済、政治などを専攻する場合、最初の興味のきっかけは歴史ではないかと思います。中学受験を経て中学に入っても部活や行事で忙しい日々が待っていますから、できれば低学年のうちに、歴史への興味だけでも持たせてあげたいものです。